母の話
父との同居生活の話を書こうかと思いましたが、思い出していたらとても文字に書き起こせるような気分じゃなくなってしまったので…
今回は今まであまり触れていなかった母親の話を書いてみようと思います。
書き起こそうと思うと言っても、書くようなこともほとんどないんですが…。
母は私を20歳の時に産んで、私が産まれて3ヶ月で父と離婚しました。その後の行方は誰も知りません。
写真が嫌いな人だったみたいで、一枚も残っていないので顔も知りません。
私が知っているのは、名前と生年月日と父から聞いた母の話。
他には、父と離婚するまでの3ヶ月間に母が書いていた母子手帳が実家にあるくらいです。
聞いた話によれば母も私のようにかなり情緒不安定になりやすいタイプで、両親と不仲だったらしいです。
「家庭を持ちたい」と母が望んで、そこに産まれたのが私。
私を産んだ後は産後鬱状態になっていたみたいで、自殺を図ったりすることもあったみたいです。
漂白剤を飲み干して病院に運ばれたり…
聞いている感じだと、この親にしてこの子ありだなぁと自分を見て思います。
一緒に過ごしていなくても不思議と似るんですね。
離婚してすぐは私の祖父母宛に一度手紙を送っていたみたいで、
「半年間○○さん(父の名前)と距離を置いて、その間に貯蓄して、やり直すことにしました。
また3人で幸せな家庭を築いていけるように頑張るので、それまでゆりのことを宜しくお願いします。
それまでの間毎月少しずつではありますがお金を送らせてください。」
かなりざっくりですがこんな内容でした。
ちなみに手紙も送金もこの一度きりでした。
情緒不安定過ぎる母と結局和解出来ることはなく、そのまま縁を切ったみたいです。
そのせいもあってか母はそれっきり私の前に姿を現すどころか電話すらかけてくることはありませんでした。
よっぽど後味の悪い終わり方をしたのか、一緒に少し暮らした時に母の話を聞くと不機嫌そうな顔ばかりされていたので私が聞いた話はここまでです。
成人した時に戸籍の附票を取って探すことも考えましたがどうも決心が付かず、未だに探さずにいます。
以前そんなお話を息子のいる男性の方にお話した事がありますが、
「自分の子供なら何があっても可愛いと思うし、絶対会った方がいいよ!」
と言われて拍子抜けしてしまいました。
それと同時に、そんな発想になるようなその人のこれまでの人生を想像して、少し羨ましく思いました。
もしも新しく家庭を持っていたら、前の旦那との子供なんて忘れてなかったことにしたいと思うかもしれない。
そもそも生きているかも正直なところ謎。
もし独身で生きていたとしても、私に今更会いたいと思うかはわからない。
それに、確かに母のことは気になるものの知らない方がもしかしたら幸せなのかもしれないと思う部分もあるんです。
私の知らないところで、新しい旦那さんとその間に産まれた子供と幸せに暮らしている姿をもし私が見てしまったら。知ってしまったら。
きっと私は受け入れることが出来ないと思うんです。
100%そうだと言うわけではないけれど、そんなリスクがあるくらいならもう何も知らない方がいいんじゃないかと。
結局はこれ以上傷付くのが怖いだけなんですけどね…。
いつか私が今よりずっと強くなれたら、その時にでも探してみる…かもしれません。